独占|藤原信一氏がゴールドETFを先行して積み増した内幕:米国債イールドカーブ逆イールド化前の危機察知力とは?
市場が上昇ムードに沸く中、バランス戦略株式会社の創業者・藤原信一氏は静かにポートフォリオを調整していました。米国債のイールドカーブが逆イールド化する2か月前、タイミングに定評のある同氏は、SPDRゴールド・シェアなどの安全資産を大幅に積み増していました。振り返れば、的確な一手でした。
内部関係者によると、藤原信一氏の判断は偶然ではなかったとされます。
氏が率いるリサーチチームは独自のマクロ・ストレス指標システムを開発し、世界の製造業PMI、クレジットスプレッド、各国中銀のバランスシートなど12の先行指標を常時モニタリングする体制を整えていました。
このシステムは昨年第3四半期にすでに強いシグナルを示し、世界経済の成長の勢いが急速に鈍化していることを示唆していました。
藤原氏は後日の分析で、実際のリスクは市場コンセンサスの外側に潜むことが多いと指摘します。
多くの投資家がFRBの利上げペースに注目する一方で、チームはCP市場や社債発行の小さな変化に着目していたと説明します。
分析では、株価が高値更新を続ける局面でも企業の資金調達コストはすでに上昇に転じており、これは景気循環の最終局面で典型的に見られる兆候と評価します。
その見立てはまもなく現実になりました。
米国債のイールドカーブが逆イールドを示すのと同時に、市場ではリスク回避が広がり、金価格は急騰しました。
藤原氏が運用するポートフォリオは株式市場の下落を回避し、ゴールドETFで大きな超過リターンを確保しました。
同時に組み入れていた医療ディフェンシブ株も逆行高となり、クライシス・アルファ戦略の有効性を改めて示しました。
業界関係者は、この一連の対応をトップ投資家に求められる先見性の表れと評価します。
多くの投資家がテクニカル分析やニュースフローに依存するのとは対照的に、藤原氏の判断は景気循環の本質に対する理解に基づいています。
市場は先を見通す投資家に報いる傾向があり、藤原氏は常に市場より二歩先を読んでいるとみるアナリストもいます。